福井丸岡RUCKとアルコイリス神戸の公式戦10回目の対戦は、
日本女子フットサル史上最高となる2327人の大観衆の中でキックオフされた。
試合前のミーティングで、この試合のテーマが「我慢」であること、粘り強く前を向いて球際強く守備をし最後まで走り抜くこと、
自分たちが楽しむことで観に来てくださった皆様にフットサルの楽しさを発信することを話し合った。
そして、みんなで決めたとおり、ディフェンスラインをハーフラインと決め、2枚替えでスタートすることを確認した。
前半3:14、ゴレイラのクリアランスがピヴォの山川へ、山川は激しくチャージに来た平井を背負いながら右サイドの北川に、
そのボールを江口がカット、こぼれたボールを山川が拾う。
しかし、その山川のボールを、加藤が体をぶつけながら奪った。加藤はそのまま中央をドリブルし、3vs1の場面を作りだす。
右サイドを走る若林にボールが渡り、若林はダイレクトで左レーンの江口に。
江口は中に入ってきて右足のインサイドでシュート。
攻守の攻防あふれる素晴らしいプレーであった。審判の基準がこれではっきりとわかった。
失点はしたものの、高木主審と山崎副審は国際基準のジャッジをしてくれると確信できた。
今度は、山川が若林のボールを奪って中央から左サイドを走る横山にスルーパス、ゴレイラ竹田が前に出て足でセーブ。
前半3:45、横山の左キックインがゴール前の山川に、山川の折り返しが若林の股を通って、左から上がってきた横山に。
横山の強力な右足のバズーカ砲が、ニアハイに突き刺さった。
失点から30秒、じいちゃんが観に来た試合では絶対決める横山夢花、すぐ泣くけど、頼もしい選手。
その後、セットに戻そうとしたが、高尾が高校生と組んでチームをまとめ、チャンスも演出していたので、変則なセットになった。
「ここはまずいぞ」と思った前半8:20、江口の左コーナーキック、若林がタイミングをずらして壁になるはずの北川をブロック。
ボールは後ろの平井に、荒井の寄せが若干遅れた。平井は左足で逆サイドにクロスのミドルシュート。
ゴラッソ。しかし、これは、監督の采配ミス。普段やらないメンバーでプレイさせてしまった。
またもや1点ビハインド。ここで、高校生セット。前半9:36、ボールを奪いにいったフィクソの凜花がセンターサークルで倒れた。
すかさずアルコは、藤田がドリブルし3vs1の形に。右サイドの関灘にパスを通し、左のレーンには斉藤が。
1失点目と同じ嫌な陣形。しかし、関灘に体を寄せ、パスをカットしながら、こぼれ球をターンしてドリブルしたのが池内天紀。
ここからが凄かった。右サイドを駆け上がり、残っていた西尾がカバーに来るや否や、中にカットイン。
戻ってきた関灘と西尾に挟まれながらも、出てきたゴレアラの股下を通す左足のシュート。
2327人の観衆の大きなため息、しかし、それは、大きな拍手にかわった。
今日は、アルコのホームゲーム。MCの「ゴール」の雄叫びや音響が無い分、RUCK応援団の歓喜の声が響き渡った。
これで2-2、振り出しです。
その後は、予定通り、大学生セットと高校生セットが短い時間で交替し、強度の高いプレーを見せた。
高校生セットでは、前田がしっかり戻って前を向いて守備をした。
ボールを奪ってから前にドリブル、体勢を崩したアルコの選手はそのドリブルに悪戦苦闘した。
ボールキープ率はアルコ。しかし、時折見せるRUCKのカウンターは勢いがあり、会場が大きく湧いた。前半は2-2で終了。
ハーフタイム、しっかり我慢ができていること。体で負けなくなっていること。ドリブルが効いていること。
キーパーがよく防いでいること。よかった点だけ話した。
もう一度、我慢をし、残り5分間で勝負。最後に走り勝つのは、我々、丸岡RUCKだと。
昨日は、内田テクニカルアドバイザーも、浅川コーチも、重矢トレーナーも、みんないてくれたので、心強かった。
後半も、大歓声の中、気持ちよくプレーできました。
アルコは、平井・加藤・若林、江口のセットと、関灘・斎藤・西尾・藤田のセット替えであった。
試合の入りは、加藤・江口・関灘・藤田だっただけに、後半、どう出てくるか心配でもあった。
RUCKは、一番声が出ている市原と、体で負けない山川を2枚替えにし、前半と同じ入り方をした。
後半28:13、試合は動く。平井の右コーナーキック。
江口は、壁になった山川の背後から回り込んで、Yの前二枚の間からシュート。ニアハイに強力なシュートが決まった。
3-2、元気のある高校生セットだが、府中戦と同じセットプレーでの失点。
大歓声の中、指示の声は通りにくいと思うが、ゴレイラを中心に、みんなで伝え合うことが大事。
残り時間が2:30を切ったところで、セットを崩して勝負に出た。
後半37:45、池内の右キックインを後ろの凜花に、凜花は浮かしてピヴォの北川に、うまくピヴォ当ては成功したが、
北川は、平井と加藤に挟まれて、ボールをカットされる。加藤は、右前に走り込んだ若林にバス。
凜花は若林がコントロールした瞬間、ボールをカットして高尾にパス、そして、高尾を追い越して左の前に上がった。
高尾は中央にドリブル、右レーンを駆け上がってきた池内にパス。池内は、ダイレクトで逆サイドの凜花に。
決まると思った瞬間、ポストにボールが当たって、ボールが中央の高尾の前に。高尾は、思いっきりシュート。
会場のボルテージは上がる。三度追いついた。これぞ、ガラクタ魂。
残り2:15、どちらのチームも最後まで諦めなかった。場内大興奮の時間が続く。
ベンチで観ていても、かなり面白かった。若林のオーバーヘッドもあった。
試合は、そのままタイムアップ。10回目の挑戦も勝てなかった。2327人の前で、素晴らしい試合ができて大満足。
試合を作るのは、両チームの選手とスタッフ、審判団。今日はポールパーソンさんも良かった。試合が途切れなかった。
審判さんの基準も明確。倒れただけでは、笛はならなかった。全てが揃った素晴らしい環境であった。